motorradshonan毎日ブログ

BMW Motorrad 正規ディーラー モトラッドショウナンのスタッフブログです。

規制も悪いばかりではないかも・・・

Moto GPを見ている方にしかわからない話なのですが、
今年のレギュレーションが非常に不公平なのです。

ここ何年も勝利から遠ざかっているドカティに有利な変則ルールが追加され、3種類のレギュレーションのマシンが同じレースを戦っています。
ワークスホンダ・ヤマハに対してドカティはより多く燃料搭載が認められ、1レースの中でパワーを出すことが容易になっています。
対してホンダ・ヤマハは1レース燃料を持たせる為に燃費を考慮しなければならないために容易に出力を出すことができません。
欧州勢のための興行であるのかも知れませんが、なんだか不公平で
まるでスキージャンプやノルディック複合で日本に不利なルール変更がされた時の様に感じます。


そんななか最近とある歴史の話を聞いて、
不公平なレギュレーションも悪いばかりではないなと思う様になりました。

ちょっと物騒な話ですが、第一次大戦で敗戦国となったドイツは軍事力に様々な規制を受けました。
軍人の数もしかりで少ない人数しか認められなった為に、
将校を多めにかつ教養の高い精鋭を揃えたそうです。人数が少ないが故にトラックや戦車で必要な場所に素早く移動させる事で不足を補う方法をとったのです。機械化部隊の電撃作戦などというあれです。
軍事力を抑える為にに規制をかけることが結果的に強くしてしまった例です。

第2次大戦初戦で日本が優勢だったのも、
軍艦の保有数を規制されてしまった為に飛行機に力を入れた結果であるといえます。

最近の話ですと中国のレアアースの輸出規制です。
結果的に量・調達先を含め中国のレアアースの外交的な価値を低下させることとなりました。

同じことが今回のワークスホンダ・ヤマハに対する厳しいレギュレーションにも言えるのではないかと思います。
確かに一時的に不利にはなるかもしれませんが、
その間に少ない燃料でもタイムを出す技術を開発し、
他チームの追随を許さないマシンをつくり上げるのではないかと思うのです。

緩いルールの上ででライバルが追いついてきた頃には、
一歩も二歩も先を行くことになるでしょう。

そんなことを考えながら見ると、
不公平なルールの中にも面白みが出てきます。

ぜひ各チームとレギュレーションを調べてレースをご覧になってみてください。